近藤内科病院 緩和ケア病棟が大切にしている4つの命題
・症状コントロール
・日常性の維持
・人として尊敬されること
・家族ケア
症状コントロール
痛みやからだのだるさ(倦怠感)、呼吸困難などの様々な症状があると、QOLの維持に支障をきたします。緩和ケア病棟では、これらの症状を軽減・緩和しコントロールするために薬物療法と非薬物療法を行っています。また患者様自身が痛みやからだのだるさなどの症状について、どのように感じ、苦痛に思っているか
しっかり聴くようにしています。
日常性を維持する
1)基本的な欲求が満たされる
基本的な欲求が満たされるとは、食事が食べられる、睡眠が確保される、清潔が保持される、排泄がトイレでできる、ということです。この基本的な欲求が自立して行えるように援助しています。
【食事】
提供する食事を彩り食と名づけ、
色々な料理を一品一品、少しずつ盛り付け、
食事に彩を与えています。
【清潔】
希望があればできる限り
入浴介助を実施します。
(チューブの挿入中・酸素吸入中・意識がない場合も)
【排泄】
できる限り自分でトイレに行きたいという患者さんの気持ちをかなえることができるように、ベッドサイドにウォシュレットトイレを設置しています
2)社会とのつながりを持てるようにする
・季節の行事、浄瑠璃、フルート演奏会などのミニコンサート
・ボランティアによるティーサービス
・趣味の継続
・外出・外泊の援助
・お誕生日会
スタッフが書いたメッセージカード・お花とともに歌
を歌ってお祝いし、記念撮影をします
今年は新型コロナウイルス感染症の影響で、面会や演奏会、ティーサービスの提供、外出外泊などが制限されています。このような状況の中、少しでも患者様とご家族とのつながりを持てるように、当院ではテレビ電話や窓越しの面会を行っています。また、患者様に少しでも季節を感じてもらうように季節のお菓子などを用意したり、スタッフと記念撮影をしたりしています。
人として尊重される
患者様の価値観や今までの生き方、希望、他者との関係性を尊重することです。患者様が自分らしく生きていこうと思うことができ、それを支え援助していきたいと考えています。ご家族も患者様と同じように関わることで充実した日々を過ごす事につながると考え取り組んでいます。
家族ケア
家族会
前々年の11月から前年の10月の間に亡くなられた患者様のご家族に招待状を郵送しています。当日は自己紹介と入院中や患者様を亡くされてからの様子等を語っていただいたあと、記念撮影をします。
私たち近藤内科病院の看護師は、患者様やご家族との関わりの中で、その方の人生感や生き方を知り、看護師自身の人生観などを形成するきっかけとなっていると考えます。私たち看護師が行っているケアは患者・家族の皆様のメンタルケアになっているだけではなく、看護師のメンタルケアにもなっています。様々な場面で患者様やご家族とはお互いに、人として癒し癒される関係にあります。ご家族の笑顔が見られること、お茶会などでは病室では見られない表情や会話ができること、感謝の言葉をいただくこと、実施したケアにより患者様が安楽になるのを見たときに、私たちスタッフは癒されています。